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閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症とは

閉塞性動脈硬化症動脈硬化は全身の血管に起こり、多くの病気を引き起こす原因となります。
脳に血液を送る頸動脈や脳動脈の動脈硬化は「脳梗塞」の原因となります。また、心臓の冠動脈の動脈硬化が原因で「狭心症」や「心筋梗塞」が起こったり、胸部と腹部をつなぐ大動脈枝の動脈硬化が原因で「腎血管性高血圧症」が起こったりします。
また、足の動脈に動脈硬化を起こし、血流障害を起こす病気が「閉塞性動脈硬化症」です。


閉塞性動脈硬化症の原因

閉塞性動脈硬化症は動脈硬化が原因となります。つまり、糖尿病、高脂血症、高血圧、高齢、喫煙などの動脈硬化の危険因子によって引き起こされます。また、その他の病気によっても血管が詰まることがあります。
原因不明の血管の炎症によって起こる血管の閉塞症もあります(バージャー病)。
バージャー病の原因は不明で、若い男性に多く見られ、喫煙と関連があるとされています。なお、この病気では足先の血管が狭くなるため、治療が難しいことがあります。


閉塞性動脈硬化症の症状

I度:無症状

初期には自覚症状がないのが特徴です。継続的な運動で不安を感じ始めたらご注意ください。しびれが強い場合は、腰や臀部からの神経にも問題がある可能性があります。

II度:間歇性跛行

動脈硬化はやがて「間歇性跛行」という症状に進行します。間欠性跛行とは、「ある一定の距離を歩くと足が痛くなって歩けなくなるが、少し休むとまた歩けるようになる」症状です。

III度:安静時疼痛

さらに動脈硬化が進行すると、じっとしている時でも足が痛くなる状態になります。これを安静時痛と言います。ジーンと疼くような鈍い痛みのため夜も眠れなくなり、生活の質(QOL)が低下することもあります。

IV度:潰瘍・壊疽

最も進行した段階では、動脈硬化によって血液の供給が行き届かなくなった足先に、湿った治りにくい傷(潰瘍)ができます。足先への血流が完全に遮断されて足指が腐り(壊疽)、重症の場合は切断が必要になることもあります。


閉塞性動脈硬化症の検査

ABI(足関節上腕血圧比)検査はスクリーニングによく用いられる、有用な簡易検査です。ABI検査で異常が発見されれば、エコー、CT、MRIなどの画像検査で動脈硬化の部位と重症度の確認を行います。皮膚症状がある場合は、SPP(皮膚灌流圧)検査で皮膚血流の確認を行います。

CT検査

CT検査血流や血管の状態を調べるために、造影剤を点滴しながらCT画像を撮影します。血管の走行状態を立体的に把握するのに有用で、例えば、血管の高度石灰化(動脈硬化の変化)の有無などが確認できます。当院でもCT検査が可能です。 (CT検査は準備中です。)

CT検査


閉塞性動脈硬化症の治療

閉塞性動脈硬化症の治療は、薬物治療、カテーテル治療、外科治療(手術)に大別され、血流低下の程度や場所に応じて適切な治療方法が選択されます。
カテーテル治療では、局所麻酔下で、皮膚の近くを走る動脈(足の付け根、肘、手首など)に、長いストロー状のカテーテルを、X線画像で見ながら挿入します。
狭窄部や閉塞部にガイドワイヤーを通し、バルーンで拡張したり、ステント(金属製の網目状の管)を血管内に留置したりします。なお、関節の血管など、ステント留置に適さない部位もあります。
外科的治療には、人工血管やご自身の静脈を使ったバイパス手術、内膜摘除術などがあります。なお、カテーテル治療や外科的治療などの局所治療によって血流が再開しても、動脈硬化そのものが治ったことにはなりませんのでご注意ください。
心臓や脳の動脈硬化を合併する可能性も高いので、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などの危険因子も治療する必要があります。
急性動脈閉塞症の場合は、バルーンを使って血栓を取り除く手術(フォガティーカテーテル)が行われます。血流を速やかに再開させる必要があるため、すぐに医療機関を受診してください。手術が必要な場合は、連携の医療機関にご紹介します。