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鉄分不足?
「フェリチン」とは

鉄分が不足すると
どんな症状が出る?

鉄分が不足するとどんな症状が出る?鉄が不足すると赤血球やヘモグロビンが作られなくなり、全身への酸素供給が不足することによって「鉄欠乏性貧血」という状態になります。症状としては集中力の低下、頭痛、食欲不振などの症状のほか、筋力の低下、疲労感、イライラ、肩こり、脱毛などが現れます。
進行すると、脳、筋肉、心臓が酸素不足になり、上記の症状に加えて爪がスプーン状に反り返って薄くなり、割れやすくなったり、口角炎、舌炎、嚥下障害などが起こったりします。
貧血は徐々に進行することが多く、ヘモグロビンは6~7g/dl程度まで減少しますが、慢性化して体が順応し、明らかな貧血の症状が出ない、あるいは気づかないこともあります。


鉄分は足りている?
鉄分のセルフチェック

次のような症状や体調から貧血(鉄欠乏性貧血)を疑うことができます。

  • 動悸、息切れ、疲れやすいなどの症状がある。
  • 顔色やまぶたの色が悪い
  • 爪の変形(スプーンのように凹んだ形)
  • 氷を頻繁に食べる(異食症)
  • 不規則な食生活、偏食
  • 生理が重い(多量の出血、短いまたは不規則な月経、強い月経痛)
  • 便が黒く変色する
  • 痔などからの出血
  • 頻繁な鼻血や歯茎からの出血(間断なく何度も)が続く

鉄欠の90%は鉄欠乏性貧血

血液は白血球、赤血球、血小板、血漿からできています。
鉄欠乏性貧血は、体内の赤血球に含まれるヘモグロビンの合成に不可欠な鉄が不足することで、ヘモグロビンと鉄が不足し、酸素運搬能力が低下して全身に十分な酸素が供給されなくなることで起こります。注意しなければならないのは、ヘモグロビン量の低下による酸素循環不足の問題は、赤血球数とは関係ないという点にあります。貧血の90%は、ヘモグロビンの主要材料の一つである鉄の不足による鉄欠乏性貧血と言われています。


鉄欠乏性貧血の診断

血液検査貧血とは、赤血球中のヘモグロビン(Hb)が基準値(男性で13g/dL未満、女性で12g/dL未満)を下回る状態を言います。貧血は様々な要因によって引き起こされますが、その中でもヘモグロビンの合成に不可欠な鉄分の不足によって貧血が生じた場合には、鉄欠乏性貧血と診断されます。鉄欠乏性貧血の診断には、ヘモグロビン値だけでなく、生体内の鉄の動態を把握することが重要です。
貧血を診断する最初の指標は、ヘモグロビンと赤血球指数とされています。血清フェリチンは貯蔵鉄欠乏の最も重要な診断指標です。
総鉄結合能(Total Iron Binding Capacity;TIBC)は血清フェリチンに次に特異性が高く、補助的な診断指標となります。これらの検査はいずれも採血で測定が可能です。

血液学的検査
(ヘモグロビン・赤血球指数)

最初に貧血の程度を確認する必要があり、一般的にはヘモグロビン値で判断されます。
ヘモグロビンの基準値は男性で13g/dL以上、女性で12g/dL以上とされています。
また、赤血球指標である平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン(MCH)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)は、貧血が小球性、正球性、大球性か、低色素性、正色素性、高色素性かを判別するのに用いられ、鑑別診断に役立ちます。
鉄欠乏性貧血は一般的に小球性低色素性貧血として現れますが、大球性貧血の代表であるビタミンB12欠乏症や肝障害が併存している場合は、相殺されて小球性貧血にならないことがあるので注意が必要です。

血清フェリチン

フェリチンは鉄を貯蔵する高分子タンパク質で、ヘモジデリンとともに体内の鉄貯蔵タンパク質として知られています。鉄を中心にアポフェリチンが取り囲む外殻構造をしており、ほぼすべての体組織に存在し、肝臓や骨髄のマクロファージ中のフェリチンはヘモグロビンの合成に関係しています。
血清中の血清フェリチンは貯蔵鉄量を反映し、鉄欠乏の初期段階で減少します。血清フェリチンの基準値は男女で異なりますが、血清フェリチン値が10~12 ng/ml未満の場合、鉄欠乏症とみなされます。ただし、発熱や感染症がある場合には血清フェリチンが異常に高くなり、貯蔵鉄量を反映しない場合があるので注意が必要です。フェリチン値は、特に高齢者では軽い炎症が長期間続くと上昇するといわれており、45ng/ml以下の場合は鉄欠乏症の可能性を考慮する必要があります。

どうして「フェリチン」が重要?

鉄不足になると、「フェリチンの減少→血清鉄の減少→ヘモグロビンの減少」と、フェリチンから減少します。そのため、フェリチンを検査することで、表向きは貧血でなくても、最終的に貧血になる可能性のある「隠れ鉄欠乏症」(潜在性鉄欠乏症)が発見できます。

血清鉄、
総鉄結合能(TIBC)・
不飽和鉄結合能(UIBC)

体内には約3000~4000mgの鉄が存在し、その大部分は赤血球、肝臓、筋肉、マクロファージに備わっています。このうち、血清中の鉄の約4mgはトランスフェリンというタンパク質と結合しており、このタンパク質は血液中で鉄を運搬する機能を担っています。
鉄と結合していないトランスフェリンは不飽和鉄結合能(Unsaturated Iron Binding Capacity;UIBC)と呼ばれる。総鉄結合能(Total Iron Binding Capacity;TIBC)は、トランスフェリンと結合できる鉄の量を示しますので、TIBC=不飽和鉄結合能(UIBC)+血清鉄となります。総鉄結合能(TIBC)の基準値は300~360μg/dlであり、鉄欠乏症ではTIBCが上昇します。
トランスフェリン飽和度=血清鉄/TIBC×100(%)は、TIBCと血清鉄の比で表されます。鉄欠乏の評価に用いられることもあり、この値が16%以下になると鉄欠乏を疑います。


貧血の種類

若い女性の貧血の多くは鉄欠乏性貧血ですが、鉄欠乏性貧血以外にも貧血の原因はたくさんあります。

  • 鉄欠乏性貧血
  • 二次性貧血
  • 再生不良性貧血
  • 骨髄異形成症候群
  • 巨赤芽球性貧血
  • 溶血性貧血

鉄分不足におすすめの食べ物は?

毎日の献立に赤身の肉や魚介類を取り入れ、ヘム鉄を積極的に摂取しましょう。
ヘム鉄を多く含む食品は、レバー(豚、鶏、牛レバー)や牛もも肉などの赤身肉、カツオやマグロなどの赤身魚、赤貝などです。

チョコレートは貧血にいい?

チョコレートは貧血にいい?チョコレートにも鉄分が含まれており、鉄分が不足しがちな女性の貧血の予防や改善に役立ちます。

バナナは貧血にいい?

バナナも鉄分と炭水化物が豊富で、貧血に効果的なほか、運動後のエネルギー源になるなど、様々な効能があります。