赤血球が多い時の症状
赤血球の数が異常に増加する病気は、真性多血症または多血症として知られています。
赤血球の増加が軽度であれば、自覚症状はほとんどありません。
赤血球の増加がひどい場合は、血液の粘度(粘り気、粘度が高いと血液が濃くなる)が高くなります。
そのため、全身の血液の循環が悪くなり、以下のような症状を引き起こします。
- 知覚異常
- 頭痛
- めまい、耳鳴り
- 息苦しさ
- 倦怠感
など、貧血と同様の症状が現れます。
貧血とは異なり、赤血球数の増加や粘度の上昇は、顔面紅潮や皮膚のかゆみを引き起こすこともあります。
さらに問題なのは、症状が進行すると全身の血管に血栓ができやすくなることです。
血液の濃度とは
血液の濃度はヘマトクリット(Ht)とヘモグロビン(Hb)の数値で表されます。
ヘマトクリットとは、血液中に赤血球が何個存在するかの割合を言います。
男性 | ヘマトクリット39.8〜51.8% ヘモグロビン13.5〜17.6g/dl |
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女性 | ヘマトクリット33.4〜44.9% ヘモグロビン11.3〜15.2g/dl |
赤血球増多症の原因・種類
相対的赤血球増多症
相対的赤血球増多症の原因としては、赤血球数の増加ではなく、血液中の液体成分(血漿)の減少と赤血球濃度の明らかな増加が考えられます。
例えば下痢、激しい嘔吐、水分不足、重度の火傷など、脱水による急激な体液の減少によって引き起こされます。利尿剤の使用によっても起こる場合があります。
また、ストレスによって引き起こされることもあり、ストレス性多血症として知られています。中年男性に多く、高血圧、高脂血症、高尿酸血症などの生活習慣病を合併する場合が多く見られます。
脱水が原因の場合は水分補給や点滴で血漿量を補正し、下痢などの原因を解消することによって治療を行います。
ストレス性多血症の場合は、ストレスの解消と同時に高血圧や高脂血症などを治療します。
真性赤血球増多症
(真性多血症)
真性多血症とは、骨髄中の血液細胞の元となる造血幹細胞に異常が起こることによって赤血球が増加する病気です。場合によっては白血球や血小板の増加を伴います。
年間の発症率は10万人に1~2人程度で、50~60歳代の男性に多く、若年層での発症は少ないとされています。
自覚症状はないことが大半ですが、赤血球の数が増えて粘度が高くなると、顔面紅潮、めまい、頭痛などの症状が現れるほか、皮膚のかゆみ(入浴後に感じることが多い)や手足の灼熱感(ピリピリと熱をもった感覚)が現れることがあります。
脾臓はしばしば腫れ、腹部は膨満感を感じることもあります。合併症には血栓症や出血があり、これらの合併症を予防することが治療の目的になります。
二次性赤血球増多症
慢性呼吸不全(睡眠時無呼吸症候群など)、心臓病、長年の喫煙などにより体内が低酸素状態になると、赤血球の産生を促す造血因子エリスロポエチンの産生が増加し、赤血球の数が増加します。
また、エリスロポエチンが増加する病気(腎臓がん、肝細胞がん、褐色細胞腫など)やエリスロポエチンに対する感受性が高まる病気によっても赤血球増多症が起こります。これを二次性赤血球増多症といいます。また、男性ホルモンであるアンドロゲン製剤、エリスロポエチン製剤など、一部の薬剤によっても起こる可能性があります。
その他、エリスロポエチンが過剰に産生される遺伝性の病気も知られています。
頭痛・めまい・貧血なら
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健康診断で「赤血球が高値(多い)」と指摘された場合など、健康診断異常を指摘されましたら当院までご相談ください。当院は血液内科専門クリニックではありませんので、多血症の治療をすることはできませんが、健康診断で異常を指摘された方、日々頭痛やめまい、倦怠感、貧血といった症状にお悩みの方に対して、採血やレントゲン検査、CT検査を使用して原因を究明、必要なら連携する医療機関に紹介するといった役割を果たします。気軽になんでも相談できるクリニックを目指しています。まずはお気軽にご相談ください。